「なんだかよくわからない」
――作品の前でそう感じたことはありませんか。
丸や四角など図形のようなかたちやあざやかな色の作品は、もちろん目には楽しいけれど
何を意味しているのかと聞かれると、ちょっと答えに困ってしまうかもしれません。
この展覧会は、そういった作品にじっくりと向き合い
大人もこどもも一緒になって、たくさんの「わかる!」を感じてもらおうという試みです。
奥行きのない絵の世界は二次元という世界です。
ですが風景であったり人物であったり、描かれているものは立体的に見えます。
それは昔からたくさんの芸術家たちが
奥行きのある三次元の世界をうつしとる方法を探し求めてきた結果です。
けれどもここ100年ほどの芸術家たちは
うつしとることは「見せかけ」でもあるのでは、と頭を悩ませてきました。
そうして、見せかけではなく本当・本物を目指すなかで
かたちや色そのものをテーマとすることに気づいたのです。
とはいえ、こうして生まれてきた作品たちが語る言葉は
それまでの美術とはほんの少しちがった言葉になってしまいました。
そこでこの展覧会では三つのテーマ、A、B、Cをきっかけにして
作者の見方や考え方、時には実際に書かれた文章も借りながら
少し変わった作品たちの言葉に耳を傾けてみたいと思います。