郡山市立美術館では、奈良市出身で昭和を代表する写真家・入江泰吉(一九〇五・明治三八~一九九二・平成四)の展覧会を入江泰吉記念奈良市写真美術館収蔵作品により開催いたします。今回は選りすぐった歴史に彩られ郷愁をさそう大和路の美しい風景写真や、厳かながらも慈愛の表情を見せる仏像の写真、万葉集に詠われた花々の写真など約九〇点を展示します。
郡山市と奈良市は「うねめ伝説」が縁で一九七一(昭和四六)年八月五日、姉妹都市となる盟約を締結しまして以来、数々の交流事業で友好を深めてきました。この展覧会は、その交流の歴史が昨年をもって四〇周年を迎えることを記念し、昨年行われる予定でしたが、あの大震災により中止を余儀なくされました。しかし、奈良市及び入江泰吉記念奈良市写真美術館のご協力によって、一年遅れながら今年開催できることとなりました。
入江泰吉の優れた感性によって撮影された写真は多くの方々の心をいやし、それは復興への大きな力となることと思います。とくに郡山市民の皆様には姉妹都市・奈良市への感謝の気持ちを深め、それによって両市の友好の絆を一層強いものにしていただければ幸いです。