昨年秋、青梅の街中で水上嘉久さんの「山巓図」に出会いました。大通りに面した町屋の玄関右手の駐車場のような所は引きが少なくやむをえず塀に背中をつけたり、正面にかがんだりして拝見したのでした。
今回画廊を移転しようと決めたとき、まっ先に頭をよぎったのが「山巓図」で新画廊のオープンに再登場してもらいました。 金子多朔
彫刻にとって「かたち」は、形のないもの、見えないものの影であり、そして、形のないもの、見えないものは、形のあるものの本体と考えます。私にとっての山は、探すことをやめた時に現れた、物質としての白い石による「無の顕現」です。
水上嘉久