日本画家堀文子は女子美術専門学校(現・女子美術大学)在学中、第二回新美術人協会展で初入選を果たしました。戦後も創造美術、新制作協会日本画部、創画会と常に革新的な団体に所属し、1952年には第二回上村松園賞を受賞。1999年の創画会退会を機に一切の団体に所属せず、自身の孤独を糧として、様々な技法を試みながら絵画制作を続けてきました。
育った東京を離れ、世界を旅し、森に住み、草木や鳥獣と呼吸をともにし、自然を師として学んだ多彩な作品は、刻々と移ろう生命の不思議を感じさせます。
本展は、94歳となった今もなお旺盛な創作活動を展開し、ただひたむきに生命を見つめ続けた画業70年の軌跡を振り返ります。