根津美術館は、奈良、平安から鎌倉、室町にかけての優れた宗教美術の作品を数多く収蔵します。今回は開館60周年を記念する名品展として、垂迹画の筆頭に位し、その名の高い那智瀧図を五年ぶりに公開するとともに、種々の宮曼荼羅ほか、平安期の大日如来独尊像や普賢十羅刹女像、善財童子歴参図、また鎌倉時代の旧近江金剛輪寺潅頂堂本尊の八十一尊曼荼羅、法勝寺様の愛染明王、清涼寺式釈迦如来・阿難像など、垂迹画や顕密の仏画の名品を一堂に会して展示し、併せて奈良・平安を中心とする写経の優品も御覧頂くことと致しました。
弊館収蔵の宗教美術の作品のまとまった展観は、昭和55年の開館40周年記念展以来20年ぶりのこととなります。この機会にあらためて根津美術館の優れた、しかも多彩な宗教美術の作品の数々に是非とも触れて頂きたく存じます。
●主な展示作品●
那智瀧図 (鎌倉時代 国宝)
大日如来像 (平安時代 重要文化財)
春日宮曼荼羅 (鎌倉時代 重要美術品)
金剛界八十一尊曼荼羅 (鎌倉時代 重要文化財)
無量義経 (平安時代 国宝)