「日本のゴッホ」「放浪の天才画家」と称される画家、山下清は2012年に生誕90周年を迎えました。この展覧会では、これを記念し山下清の生涯を代表的な貼絵を中心に紹介します。
1922(大正11)年に、この世に生を受けた山下清は、49歳でこの世を去るまで、激動の昭和という時代とともに歩んできました。その波乱に満ちた人生は、映画やテレビドラマにもなり、画家としての領域を超え、幅広い層から支持を集めています。近年では、画家として再評価されるだけでなく、独特の文体の文章にも注目が集まっており、その人気はますます高まっています。また、清の作品が観る者の心を捉え今なお多くの人々に愛されるのは、素朴で懐かしい日本の原風景がそこにあるからではないでしょうか。
本展では、生い立ちから貼絵との出合いと放浪、放浪後画家として活躍する姿や初のヨーロッパへの旅、そして貼絵による完成を夢見て挑んだ最後の大作《東海道五十三次》までを3章に分け、一般初公開の貴重な貼絵作品を含む約100点を展示し、山下清の生涯を、遺族の証言に基づく“真の姿”として紹介します。