<マイセン館>ファン・ゴッホ《農場》の真相に迫る
<本館>生命賛歌~大地と人間~展
2003年2月、国内オークションに出された作者不詳の絵が、競売直前にファン・ゴッホの真作《農婦》(1884-85年)であることが判明した。この時、ファン・ゴッホ美術館により、この絵が約60年前に2度修復され、オリジナルの筆致や農婦の顔形が損なわれていることが明らかになった。
一体この《農婦》何が起こったのか?そのオリジナルの顔とは?
それから9年、現地調査や最新の科学調査(吉備国際大学との合同プロジェクト)によって明らかになった《農婦》の真実の顔を、ここに紹介する。
マイセン館では、《農婦》の調査研究発表とあわせて、展覧会前期(3月24日~5月6日)において、国内で所蔵される貴重なファン・ゴッホの初期作品(油彩画2点)と、彼が多大な影響を受けたジャン=フランソワ・ミレーの農民画(版画2点、パステル画1点)を展覧し、ファン・ゴッホがいかに労働者を崇高な対象として画布にとどめようとしたのか、その宗教感や自然感に迫る。
また展覧会後期(5月8日~6月10日)には、ファン・ゴッホが1910年以降の日本洋画界に幅広い影響を与えた痕跡を、岸田劉生や前田寛治、中村彝、中川一政らの作品に探る。
あわせて本館では、「生命讃歌~大地と人間~展」を同時開催し、藤田嗣治の大壁画《大地》をはじめ、偉大なる大地の上で繰り広げられる人間の営み-労働や憩い、祈りなど-を描いた近代日本絵画約50点を紹介する。