端午の節句には男の子の誕生祝いと健やかな成長を願って武者人形や甲冑を飾ります。ご覧いただく人形は、今年のNHKの大河ドラマに登場する義経です。兜の鍬形(くわがた)や吹返(ふきかえし)が美しい「大鎧姿(おおよろいすがた)」とよばれる大将の戦場での正装姿です。
五月人形飾りは、大将の人形だけでなく、馬や虎などの人形も一緒に飾ります。昔はセットで販売されるのではなく、気に入ったものを個々に買い求めて飾るのが一般的でした。親類からのお祝いに届く黒い台に乗った金太郎などの台人形も並べて飾ります。人形の顔付きは、現代に多い幼い子ども顔ではなく、戦前までは「正顔(しょうがお)」と呼ばれる大人の顔で作られました。