「交差する視点とかたち」展が第5回を迎えます。2007年に始まったこのユニークな展覧会が目指してきたのは、ジャンルを超えた所に生起する“かたちの異種交配”であり“かたちの饗宴”というべき空間の創造です。
毎回、エネルギッシュな立体表現をくりひろげる北のアーティストを軸にして、そこに道外の優れた現代陶芸家を招き、北の造形風土に新たな創造のトポスを生み出す試みがなされてきたのです。
今回は第5回を記念して、これまで出品してきた作家を網羅し、新たに4作家が道内外から参加して、総勢13作家の作品が一堂に出品されることになりました。また会場も札幌芸術の森美術館となり、さらに2作家を加えて北海道立釧路芸術館での移動展や一部内容を選抜して紋別市立博物館での巡回展を開催、これまでの規模を格段に拡大して行われます。
今、もっとも注目される北のアーティストたち。そして果敢に陶芸世界を押し広げてきた日本を代表する陶芸家たち。陶磁に加えて、ガラスや鉄、木などのさまざまな素材が共振するだけでなく、器、オブジェ、インスタレーション、人形など多様な表現が交響します。
今日の空間に命を吹き込んできた造形世界が、今、ダイナミックに繰り広げられます。
札幌芸術の森美術館館長
佐藤 友哉