絵画に表現された身体や顔は、表情や身に付けた衣服から、その時代の画家の心情や社会背景を我々に伝えてきます。
板橋区立美術館では日本の近代美術のなかでも前衛的な傾向を持つ作品を収集、展示してきました。
本展では、コレクションの中から大正時代のプロレタリア美術運動の中で生まれた作品、戦中に働く女性たちを描いた作品、戦後のストライキの様子や基地闘争を描いたものなど、油彩画を中心に約70点を紹介します。ここに描かれた人々の表情や身振りはそれらの問題を雄弁に語っています。美術作品の中に表現された身体を通して、時代が抱えていた問題や社会背景を振り返り、考える展覧会です。
また、この会期に合わせて、昨年度ご寄贈いただきました、西川藤太郎氏の木口木版画12点と中村宏氏の油彩画1点をお披露目いたします。