明治から昭和にかけて活躍した美人画の大家、鏑木清方。その画業は、小説に登場する女性たちを挿絵にすることから始まります。尾崎紅葉や泉鏡花らの単行本の口絵などを手掛け、挿絵画家として人気を得る一方で、自由な画題で描いてみたいという気持ちから、日本画家へと転身します。そして優美な美人画を中心に情緒豊かな作品を制作しました。
早朝に稲田が広がる小路を散歩する長女を描いた《朝涼》、秋晴れの日に山路で紅葉狩を楽しむ姉妹を描いた《桜もみぢ》など、情趣あふれる清方の美人画をご覧ください。
なお、多くの方からの観覧希望にお応えして、《朝夕安居》をあわせて展示いたします。