西宮市大谷記念美術館の開館40周年を記念して、戦後から今日にいたる関西の現代美術を紹介する展覧会「対話する美術/前衛の関西」を開催します。
当館のコレクションは日本とフランスの近代絵画を中心としたものですが、1972年の開館以来、現代作家の展覧会を積極的に開催し作品の収集につとめてきました。その長年の取り組みの成果であるユニークな作品群は、戦後関西の美術シーンの一断面を浮かび上がらせるものとなっています。
また一方で、美術作品とは、作品それ自体で完結するものではなく、時代やジャンルを超えて別の作品とつながることで新たな意味を生み出していきます。とくに、形式にとらわれない現代美術と呼ばれる表現は、見る者の創造的思考を引き出し、多様な解釈を成り立たせる可能性を秘めています。
本展は、互いに共鳴し合う要素を持った作品を対話するように配置し、その空間から立ち上がる無数の意味を感じとることにより、作品と私たちとの対話をもうながしていこうとするものです。そしてこの試みが、すぐれた関西の現代美術をあらためて紹介する場となり、また多くの先端的な表現を生み出してきた戦後関西の美術シーンの特質について再考する機会となることを願っています。