近代日本を代表する洋画家の佐伯祐三(1898-1928)は大阪に生まれ、東京美術学校で学んだ後パリに渡り、わずか30年間の生涯をフランスの地で終えました。芸術家として“純粋”であることを追い求め、焦燥のうちに描かれた作品は今日も多くの人に感動を与えています。佐伯祐三の没後、いち早くその芸術に真価を見出した大阪の実業家、山本發次郎の収集品が、日本最大かつ最高水準といわれる大阪市立近代美術館の佐伯祐三コレクションの基盤を築いています。本展は、その中から佐伯祐三がフランス滞在中に描いた油彩画をまとめて展示し、あわせて里見勝蔵や荻須高徳などパリで交流のあった日本人画家の絵や、1920年代前後のパリの街角を飾った実際のポスター作品(サントリーポスターコレクション)も出品して、佐伯祐三が魅せられた芸術の都パリの街角の息吹を伝えます。