京都は、平安時代の建都以来、日本の文化が結集した都市です。その文化は、天皇家と公家社会を核とした御所を中心に形成されましたが、それらを支えた京都の町は、今も洗練された意匠や色彩があふれ、いくたびの兵火や災害に見舞われながらも、古都のたたずまいを今に伝えています。京都の人びとは、三方を山で囲まれた山紫水明の都市の暮らしのなかで四季を楽しみ、祭事、伝統行事など、折々の節目を大切にしてきました。数々の美術工芸品には、そうした感性や季節感が反映され、優れたデザインと色彩感覚に彩られています。
本展覧会では、日本文化の粋といえる京の様式美を、染織品等の工芸品約130点によって紹介します。意匠や文様、色彩から、京都にとけ込んだ季節感や美意識をお楽しみください。