春一番とは、例年2月から3月の半ば、立春から春分の間に、その年に初めて吹く南寄りの強い風のことです。またこの風は太平洋側で観測されることが多く、春一番が吹いた日は気温が上昇しますが、翌日は西高東低の冬型の気圧配置となり、寒さが戻ることが多いようです。
今回の展示は、所蔵品の中から、ちょうどそんな頃、春一番が吹き本格的な春の到来を待ち望む木々や小鳥たちの姿を慈しみ描いた金島桂華、小林古径、児玉希望、岩橋英遠らの作品を約60点展覧いたします。
また併せて井原市内の旧家に伝わる雛人形も公開いたします。京都の老舗・丸平大木人形店製の有職束帯立像は、朝廷の公事の際に着用された束帯や黄櫨染(こうろぜん)の御袍を身につけた男雛と特別に織らせた錦や金襴を使ってあつらえた装束を着用した女雛で、大変艶やかで素晴らしい技術が結集された逸品です。
まだまだ厳しい寒さが続くようですが、どうぞみなさま一足早い春をじっくりとお楽しみください。