出羽の豪商として知られた酒田の本間家は、元禄2年(1689)初代原光が「新潟屋」の看板をかかげてから、湊町酒田の繁栄とともに商業・金融・地主の3つの事業を展開しました。そして、その財力によって財政難に苦しむ庄内藩・米沢藩をはじめとする東北諸藩に大名貸しを行い、財政指導にもあたっています。酒田の経済をはじめ文化・教育・福祉と多岐にわたって貢献し、地域とともに今日まで323年の歴史を歩んできました。
その中で、諸藩からの返礼や文化人との繋がりによって伝来した美術作品には、平安時代から明治維新に至る日本の歴史に関係する貴重な古典籍・書蹟・絵画が含まれています。
本展では、平成22年に本間家よりご寄贈いただいた書と絵画を中心に、平安時代の経典や天皇の宸翰、西郷隆盛の雄筆をはじめ、狩野派の絵画や司馬江漢の銅版画などをご紹介します。