黄金崎クリスタルパークは、現代ガラスをテーマにした独自の展覧会を企画し、その普及に努めてまいりました。今回は海外のガラス作家の作品を展示し、その個性豊かな造形美を楽しんでいただきたいと思っております。
現代ガラスというのは、主に1960年代以降に拡がった自由で独創的なガラス芸術のことです。1962年、アメリカのトレド美術館で小型の溶解炉を用いたデモンストレーションが行われましたが、十分な設備と多くの人手が必要だったそれまでとは異なり、個人の工房でも自由にガラス作品を制作できるということを提唱してくれました。この画期的な意識改革は、アメリカ国内はもとより世界各国に広まり、ガラス造形の歴史を大きく変えることとなりました。また、このスタジオグラス運動とは別に、早くも1950年代から個人の独立した造形芸術として制作していた他の国の作家もいました。やがて1980年代になって、スタジオグラス界はいよいよ活況を呈し、新たな技法の開発や表現の多様化が進み、可能性豊かな造形分野として成長していきます。
今回の展示では、こうした現代ガラス界がより一層充実していく時代、1980年代以降に焦点を当て、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどのガラス作家たちの作品を幅広く紹介します。