鳥や動物たちと、華やかに咲き乱れる花木が織りなす花鳥画の世界。花鳥画とは、花と鳥を描いたものだけではなく、蜂や蝶などの昆虫や魚を描いたもの、犬や猫、兎などの動物と花木をとり合わせたもののことを指し、中国では人物、山水と並んで重要な画題とされています。四季の豊かな日本では、瑞々しい自然の姿と生命を対象とする花鳥が特に好まれることとなり、水墨画から華麗な彩色の世界へと花開きました。そして近現代では動物描写に優れた竹内栖鳳や西村五雲、洗練された近代的感覚の山口華楊、西洋絵画的な造形性を取り入れた山口蓬春、そして中国や日本の古典作品が本来備えていた表現を見直して、鳥を描き続ける上村淳之などが活躍しています。 本展では、古川美術館所蔵品から近現代の作品を中心に、花鳥画の歴史や伝統、構図やモチーフの変化なども注目しながら、画家たちが向き合い表現しようとした自然の様相を展覧します。四季折々の花鳥に託した画家たちのそれぞれの美の世界をお楽しみください。