ベネツィア・ビエンナーレへの出品、紫綬褒章の受章など、日本を代表する美術家の一人である森村泰昌(1951年生まれ)は、高校生のころから、画集などで新しい表現に出会うと、そのスタイルをまねて、ドローイングや絵画作品を制作してきました。
本展では、高松市美術館の所蔵品の中から、森村が若き日に影響を受けた、岡本太郎、赤瀬川原平、田中敦子など日本の現代美術史を代表する作家38人に加え、アンディ・ウォーホル、ジャスパー・ジョーンズ、ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレー、アルブレヒト・デューラーに至るまで、西洋美術史を彩る作家たち13人、合計51人の作家の作品や資料を展示します。そして、それらの作品を“まねながら”森村が制作した絵画、写真、立体作品、習作などを一対にして展示します。各作品に付された森村自身の言葉とともに作品を辿る事で、数々の作家たちが作り上げた「美術史」と、森村による「私(わたくし)美術史」が交差し、展開します。
一人の「青年・森村」が“まねる”ことで「美術」を“まなび”、やがて「美術家・森村」になる過程を通じて、現代の美術の歴史を分かりやすく紹介します。