厳しい冬の寒さを乗り越え、芽吹きの季節となる春。凍りついた大地がゆるみ、わき上がるように小さな芽が顔をだします。葉が落ちて枯れ木のようであった木々は、いつのまにか花芽も付けています。
星野富弘は、私たちが見過ごしてしまいそうな小さな命に、目を向け、絵を描き、生きることへの感謝や喜びの言葉を添えています。作品の美しさとともに、命の輝きを、優しく心に与えてくれるのです。
本展では、入院中に見た桜の花の美しさに感動して創作された、星野の代表作品でもある「さくら」や、春の光をいっぱいに受けて咲くオダマキの花に詩を添えた「いのち」など“いのち”をテーマとした作品約20点とエッセイを紹介します。