住友コレクションの茶道具類の多くは十五代住友吉左衞門友純(号・春翠)の蒐集した作品です。春翠の茶道具の蒐集は青銅器のそれと同じように中国美術への造詣の深さが感じられ、特に唐物に名品が多くみられます。唐物趣味の逸話として、「鶴の子茶入 銘 漱芳」を入手した際、ことのほか喜び新席の茶室に「漱芳」と庵号をつけたことなどが伝わっています。唐物を中心としつつも、香合は仁清の「白鶴香合」を用いるなど、公家の出身らしく典雅で端正な作品を好みました。これらの作品を通して数寄者住友春翠の美意識を感じとっていただければと思います。(期間中一部展示替あり)