開館50周年記念事業のひとつとして、「近代日本美術史・再読展」を開きます。戦後という時間のなかで経過した当館の半世紀を、その間に収蔵した作品のうちから優れたものを選んで展示することで、回顧をかねた三部構成の展覧会にしてみました。作品1点ずつの魅力に静かにひたっていただくのもよく、描かれた時代を見つめなおしていただくのもよく、どちらも可能なように、通史的な配列に工夫をこらしました。これを〈再読展〉と名づけましたのは、ここへくるたび、再読も三読もして楽しみを深めてもらえるような展覧会になればと考えたからです。
第一部では、明治・大正・昭和戦中期まで、おおよそ高橋由一から松本竣介にいたる作家たちの作品を約90点展示します。