荻須高徳は、1901(明治34)年11月30日に現在の愛知県稲沢市に生まれました。1922年東京美術学校に入学、画家を志します。1927年美術学校卒業後はフランスに渡り、第2次世界大戦による一時帰国を除き、半世紀の長きにわたりパリを中心に創作を続けました。
芸術の都パリの息吹を肌で感じた荻須ですが、観光都市としての華やかなパリではなく、そこに暮らす人々の暖かみ、生活感の感じられる街角風景に魅せられ、生涯を通してこれを描き続けました。日仏文化交流にも大きく貢献した荻須は、1956年フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を授与され、1978年にはパリ市主催で個展が開催されました。また、没年の1986年には日本政府から文化勲章が授与されるなど、日仏両国で高い評価を得ています。
本展覧会では、国内初公開の油彩画・水彩画33点を含む120点の作品で、荻須の全画業を振り返るものです。