2008年10月5日に亡くなられた緒形拳さんは書画をよくすることでも知られた方だった。中川一政氏に師事され54歳にして初個展を開催。
その書の素朴なごつい力強さと自在な飄逸さは演じる人を超えて自身をそのままに現出させている。
山口県の三隅にある香月泰男美術館の骨太の館名表示も緒形さんの筆であったことも懐かしく思い出す。出品作ではないが、
戀慕渇仰の中に我を観 信行の中に佛身を仰ぐ
に信条を、骨壷に書いたという 「今日感会 今日臨終」に遺言を思う。緒形さんの心を捕えた書、29点をご覧いただきます。 島田誠