2年ごとに藤崎孝敏展を開催している。長く住んだパリを離れ、ベルギーへ、フランス北部の街々へとアトリエを移しながら制作は続く。
石畳の溝を流れゆく昨日の / 干涸らびた営みが私の足を濡らす前に /
私は再び見つけたのだ黄昏よ 黄金の悲しみよ
と悲痛に呼びかけるCAUVINEの魂。その作品は深度を増し、悲しみを湛えた鈍色の耀きを発しながらある。昨年、静岡パサディナ美術館での個展を訪ね、本展を決めた。しかし、ParisからMontfortのアトリエへの帰路、事故に合い、後遺症に苦しんでいる。来神も叶わず、新作も届かない。
今回は、関西初発表新作10点と新保哲也コレクション、ギヤラリー島田コレクションによって、藤崎孝敏の世界を余すところなく伝えたい。 島田誠