北の風土に根ざして季節の情趣をただよわせる北海道風景、エキゾティックな風物や光彩にあふれた異国の風景、さらに作者の内面を色濃く映じた心象風景まで、多彩な作品により遥かなる風景旅行へといざなう展覧会です。
出品作は当館および北海道立近代美術館のコレクションから選りすぐった近現代の風景画。昨年度、当館で収蔵・受託した旭川出身の日本画家、福井爽人(日本美術院同人、東京藝術大学名誉教授)の大作5点をまとめて公開する初の機会ともなります。
画家がそれぞれのまなざしで自然や街並に心をかよわせ、描きだした“風景”の数々。それらを通して様々な季節や場所をめぐり、時になつかしく、時に新鮮な光景に心を遊ばせながら、風景画の深遠な魅力をご堪能ください。多彩な風景美のうちに、人と自然の大いなる営みが看取されるとともに、風土や文化に培われた画家たちの鋭敏な感性と造形表現のゆたかさを実感されることでしょう。