このたびギャラリー小柳では、2月10日から3月31日の会期で、ヘレン・ファン・ミーネによる個展「Hellen van Meene:Dogs and Girls」を開催いたします。ギャラリー小柳での個展は6年ぶり、3回目の開催となります。
ヘレン・ファン・ミーネは1972年、オランダ、アルクマール生まれ。現在はアルクマール近郊の町、ヘイローを拠点に活動しています。1990年代半ばより作品の発表を開始。2000年のヴェネチア・ビエンナーレ建築展では日本館の展示「少女都市」に妹島和世、西沢立衛らとともに参加して、国際デビューを果たしました。以来、世界各地で個展を開催しています。
少女がもつ強さと弱さが交錯する内面を、独特のセッティングとポージングにより鮮やかに映し出すポートレイト写真で知られるファン・ミーネが新たに手がけたのは、一連の「犬」のポートレイトでした。ある日、友人宅の屋根裏で1920年代の犬の写真を発見したファン・ミーネは、その威風堂々とした姿にポートレイトの被写体としての可能性を見出し、寝食を忘れて犬の撮影に没頭します。少女たちと同じ基準で選び、同じ手法で撮影された犬たちは、ファン・ミーネが撮った少女が醸し出すような際立つ個性を見せ、威厳さえ感じさせるものもあります。自身「まったく新しい展開」とするこのシリーズの作品は、今までの作品より大きなサイズで制作され、小さなサイズの少女たちが並ぶ今までの静謐な展示とはまたひと味違うインスタレーションがご覧いただけます。
今回の個展に出品される少女たちのポートレイトは、サンクトペテルブルク、モスクワ、そしてヘイローで撮影されたものです。同じモデルで撮影し続けることの少ないファン・ミーネですが、今回展示されるポートレイトは3人の少女のもの。なかでも2008年にペテルブルクで撮影した少女は、2年後にモスクワで再び撮影され、時間の経過がファン・ミーネのポートレイトの演出の要素に加えられています。また、2010年にニューヨークタイムズ紙の委嘱でアカデミー賞ノミネート女優を撮影したシリーズの作品もあわせて展覧いたします。
展覧会のオープニングにあわせて作家が来日いたします。ぜひご高覧いただけますよう、ご案内申し上げます。