国家間の摩擦や国内紛争による緊張が今も続く南アジア。しかしアートの世界では、90年代以降、宗教や民族の違いを乗り越えてアーティストたちの相互交流が活発化をみせています。その中心的役割を果たしてきたのがアーティスト主体の非営利団体です。インドの「Khoj」、パキスタンの「Vasl」、バングラデシュの「Britto」、スリランカの「Theertha」、ネパールの「Sutra」など、各地で同時多発的に立ち上がったこれらの団体が主催するレジデンスやワークショップによって、問題意識の共有と対話の場が生まれ、南アジアのアートが世界から注目を集める原動力ともなってきました。南アジア特有ともいえるアート・ネットワーク。本展では貴重な資料や関連アーティストによる作品の紹介を通して、その様相に迫ります。