2002年よりチェコの古都・プラハでくらしながら絵本制作を続ける出久根育は、今、世界で最も注目を集める絵本画家の一人です。本展では、『マーシャと白い鳥』や最新作『かえでの葉っぱ』など、童話や民話を描いた、異国情緒あふれる7冊の絵本の原画を展示します。また、画家の特徴的な技法である卵テンペラや、プラハでの生活を資料や写真で紹介します。ヨーロッパと日本をつなぐ出久根育の個性と魅力をご覧ください。
〈展覧会のみどころ〉
■ブラティスラヴァ世界絵本原画展グランプリ受賞作家
2003年、絵本原画の国際的な展覧会であり、子どもの本のイラストレーションの分野で最も歴史あるBIBでグランプリを受賞。
■古典技法を駆使した美しく重厚な世界
プラハ移住後の作品の多くは、西洋の古典技法・テンペラ*と油彩を用いた独自の混合技法で描かれています。
*板の上に石膏下地を施し、卵黄のバインダーで顔料を混ぜ、絵の具として使用する技法
■自然に触れるプラハでの生活
小さな野の花に立ち止まったり、落ち葉の形に感心したり……。プラハの自然と季節に触れるくらしのなかでつむぎ出す作品には、ヨーロッパの歴史や伝統、厳しくも豊かな自然、そこに漂う空気までもが映し出されています。