2011年-。この年は多くの人々にとって、「東日本大震災」による惨事とともに記憶され続けることになるでしょう。大津波による被災とともに、福島第一原発の事故はとりわけ大きな禍根を残し、多数の住民や避難者が人生の岐路に立たされています。今年で55回目を迎える「世界報道写真展」は、124の国と地域、5247人の応募の中から厳選された報道写真、約170点をご紹介します。震災の爪痕を撮影した7名の写真家による作品もあります。大賞には、中東のイエメンで反体制デモの最中に傷ついた息子を抱きかかえる女性を写したサムエル・アランダ氏の作品が選ばれました。中東、北アフリカ各国での民衆運動やノルウェーでの大量殺人事件、密猟によって角を狩られるサイなど、今年の展示作品も貴重な記録であると同時に見る者に強く訴える作品ばかりです。