近代俳句の革新者として知られる正岡子規(1867-1902)は、愛媛県松山市に生まれました。子規は、浅井忠(ちゅう)、中村不折(ふせつ)ら洋画家と親しく交流し、子規の文学の根本をなす「写生」の理論も、彼らとの交流の中ではぐくまれたといわれています。それは、過去の因習や主観を捨て、目の前に見えるものの客観的な描写によって、真実に到達しようとする思考のあり方であり、明治という時代の精神を象徴するものといえるでしょう。
本展では、子規が自ら描いた絵画作品をはじめ、自然のなかの美を追い求めた明治の画家たちの作品を紹介いたします。