当館の創立者・岡田茂吉は、浮世絵を日本独特の美術として評価し、なかでも絵師が直接筆で描いた肉筆浮世絵の収集に力を注ぎました。そのコレクションは、江戸時代に活躍した主な浮世絵師の作品が系統的に収集されており、琳派とともに当館の収蔵品を代表するジャンルとなっています。
本展では、開館30周年を記念して、勝川春章の「雪月花図」(重文)・「婦女風俗十二ケ月図」(重文)、葛飾北斎の「二美人図」(重文)など肉筆浮世絵の代表作をはじめ菱川師宣、鈴木春信、喜多川歌麿などの美人画、さらに浮世絵の源流となる近世初期風俗画の名作「湯女図」(重文)など、所蔵する近世初期風俗画、肉筆浮世絵の優品約45点を一堂に展観します。武家や富裕な町人らに愛された艶麗優美な肉筆浮世絵の魅力を是非ご堪能ください。