このたび、MOA美術館では、伝岩佐又兵衛勝以(1578~1650)筆、重要文化財「山中常盤物語絵巻」12巻、重要文化財「浄瑠璃物語絵巻」12巻、さらに「堀江物語絵巻」12巻を3期に分けて一堂に展示いたします。これら3つの又兵衛絵巻は、金・銀・薄青・白を巧みに使った霞引きや、人物ひとり一人や建物・調度など赤や金・群青・緑青を用い、極彩色かつ繊細に独特の様式で描かれるのが特徴です。主題に共通する悲しい運命に翻弄される主人公とその超人的な活躍など、流麗な詞書きとともに物語が展開する絢爛豪華な作品群です。これら著名な絵巻群が連続してご覧いただけるのは、開館記念展以来30年ぶりのこととなります。本展を通し、又兵衛絵巻群の艶麗優雅な美の世界をご堪能ください。