岡谷家は関戸家・伊藤家と並ぶ名古屋の豪商です。寛文9年(1669)名古屋城下に打刃物商「笹屋」を創業したのに始まり、現在鉄鋼や機械および産業資材ほかを扱う岡谷鋼機株式会社の創業家にあたります。
文化財を私蔵せず、「保存と公開」すべきとする、岡谷家十代惣助(1887~1965)の遺志を継ぎ、重要文化財を含む門外不出の古筆・茶の湯道具、近世絵画などの名品優品88件が、昭和40年(1965)秋に徳川美術館に寄贈されました。
寄贈後にお披露目されて以来、初めて全作品を一挙公開し、近世から近代にわたる同家の美術愛好の歩みを振り返ります。