抽象絵画のパイオニア・津高和一は、大阪に生を受け、西宮で育った阪神ゆかりの画家です。静謐な画面の中に静かに発露する津高の精神は、生誕から100年を経た現代においても色褪せることなく、光彩を放っています。
絵筆を握るより先に詩作の世界に入った津高の画業は、力強い線的表現と色調を抑えた表現に代表されますが、叙情性に溢れ、観る者を静かに心象世界へと誘うようです。
こうした画風とともに津高は大の愛猫家としても知られ、10匹ほどのねこたちと暮らしながら制作に邁進しました。
本展では、写真家・吉野晴朗撮影による、津高に愛され、津高と共に生きたねこたちの写真を作品と同時に展覧し、津高芸術を培った背景に迫ります。