群馬県には1903年創業の株式会社ハルナグラス、1905年創業の上越クリスタル硝子株式会社と、ともに100年を超える長い歴史を持つガラス製造企業があります。その工場では、日々職人たちが手づくりで質の高い製品を作り出しています。それらは、器や道具としての機能と、色や形による美しさを、優れた技で実現させた作品であるということもできるでしょう。さらに、本県には個人として制作活動を行っているガラス作家たちがいます。これらの作家たちが手掛ける作品は、器などの工芸作品にとどまらず、ガラスの彫刻やレリーフ、オブジェまで多岐にわたります。そこでは、伝統や常識にとらわれない自由な発想のもと、ガラスは作家たちの自己表現のための素材ともなっています。
この展示は本県で現在活躍中のガラス作家と企業に所属する職人の手による作品をご紹介するものです。透明感、輝く多様な色彩、硬さや冷たさを思わせる肌-これらガラスの特性を活かし、高度な技術とそれぞれの感性で形作られた作品をとおして、群馬県のガラス芸術の現在をご覧ください。