岩手県立美術館は7月から「アートのチカラ、いわてのタカラ」というプロジェクトを行ってきました。大きな惨禍の中にあっても、美術はどんな力を持ち、美術館は何ができるかという問いへの第3弾として、「時」を視座に据えながら、岩手で活躍する7名の作家の作品を紹介する展覧会を開催します。
私たちは、自らの身体感覚も含めて事象の変化や移動によって時間を認識しますが、一方ではそうした時間軸によるものとは異なる光景を目にしているかも知れません。それは身近にあるのに不可視で捉えがたく一瞬なのに永遠でもある生き生きとした輝きに満ちたもの。本展では、そうした「時」に関係する見えにくいものを作品に見てみようと試みます。
当館は今年開館10周年を迎えましたが、この展覧会が「時」を見つめ直すことで未来へのタカラを考える場となることを願っています。