三井家は「江戸店(えどだな)持ち、京商人(きょうあきんど)」(京都に居住し、江戸に店を構える商人)として京文化を担ってきました。明治維新以降、西洋文化の流入に日本の美術工芸の衰退を危惧した三井家は、京焼の永楽家など京都の工芸を積極的にパトロネージしてゆきます。その手厚い庇護のもと贅を尽くした豪華な蒔絵を創出したのが京都の漆器商、象彦です。
寛文元年(1661)創業の象彦は、明治から昭和戦前期にかけて三井家をはじめとする旧財閥や皇室などの愛顧をうけて、数多くの名品を制作してきました。
本展は三井記念美術館のご協力により、三井家旧蔵の蒔絵作品約40点を関西で初公開致します。この機会に日本が誇る伝統工芸「蒔絵」の華やかな煌めきをご堪能下さい。