現代日本のアートシーンを代表し国際的評価の高い彫刻家、舟越桂(ふなこし かつら)。
舟越がつくり出す木彫の人物像は、遠いまなざしでたたずんでいます。それはあたかも「限りなく遠くにあり、つかもうとしてもなかなかつかみきれない自分自身」(舟越桂『言葉の降る森』1998年より)をみつめるかのように。
今秋、開館25周年を迎えるメナード美術館では、その記念展として「舟越桂2012」を開催します。
《妻の肖像》1979-80で楠による半身像を制作して以来、舟越桂は今日までに140点の木彫作品を制作しています。日常的な着衣と大理石製の眼をもつスタイルの人物像は、やがて現実を離れたフォルムや、2004年に第一作が発表された「スフィンクス」のシリーズへと展開をみせます。本展では、初期から最新作までの木彫作品22点を、ドローイングや版画とともにご紹介します。また、童話「ピノッキオ」を描いた水彩画全14点や、自身の子供のためにつくった夢あふれるオブジェなども併せてご覧いただきます。
中部地区にとって初の個展となるこの待望の展覧会をぜひご期待ください。