馬やゾウのアクロバティックな演技に驚いたり、ピエロのおかしな動作に笑ったり…サーカスはいつ見ても心躍るものです。それはいつの時代でも変わりません。たとえば、文化的で解放的な雰囲気に包まれていた19世紀末パリ。ここでも、キャバレーやダンスホール、お芝居などとともに、サーカスは多くの人々を惹きつけました。キラキラとした夢のような表舞台と、その裏側に隠された演者たちの生々しい姿という、真逆の世界をあわせもつサーカス。大衆の熱気と興奮のなか、画家たちもまた、その魅力の虜(とりこ)となり、多くの作品が生まれました。
本展では、時代を超え誰もが心弾ませるエンターテインメントであるサーカスがどのように描かれてきたのか、その夢物語の世界を紹介します。マティスを中心とするフォーヴィスムに参加した20世紀初頭の画家ヴァン・ドンゲンの《道化師》も初公開します。東西の巨匠たちがみたサーカス世界をどうぞお楽しみください!