幕末、1853年(嘉永6)のペリー来航の前年に生まれ、1905年(明治38)の日露戦争終結の翌年に亡くなった児玉源太郎。彼の55年の生涯は、日本の近代国家への歩みと重なります。
児玉源太郎は、徳山に生まれ、明治の陸軍軍人、政治家として活躍しました。
17歳で戊辰戦争に従軍、維新後は大阪兵学寮に学び、19歳で陸軍軍人としての道を歩みだしました。西南戦争では熊本鎮台参謀として早くもその実力を発揮しています。その後は、参謀本部、陸軍大学校で兵制の近代改革を推進するなど陸軍の基礎を築く一方、陸軍大臣、内務大臣、文部大臣を歴任し、政治の世界でも活躍しました。また、台湾総督として民政長官の後藤新平とともにその政治手腕をふるったことや日露戦争の名参謀ぶりはよく知られています。まさに開国後、日本が世界の列強諸国に並ぼうとした時代をリードした人物といえるでしょう。
今回の展覧会は、幕末から日露戦争までの日本の歩みをたどる中で、児玉源太郎の生涯を紹介するものです。児玉源太郎が生きた明治という時代を改めて振り返ります。