細川家は、室町時代に守護職に任じられ、戦国期には戦国大名として活躍しました。そして江戸時代には肥後熊本藩五十四万石の太守として国を治め、六百年を経た今なお、絶えることなく続いている名家です。歴代の当主たちが蒐集し細川家に伝来している武具、絵画、調度品、茶道具、能道具など約六千点の美術品と、文書などの七千点を超える貴重な歴史資料は、現在、財団法人永青文庫(東京都文京区目白台)に収められています。
本展では、永青文庫の所蔵する名品約150点を通して、洗練された大名文化の雅(みやび)を紹介するものです。細川家に伝わるこれらの名品を、今回のようにまとまったかたちで紹介するのは初めてのことであり、大変貴重な機会だと言えます。