今からちょうど100年前の1911年。ドイツのミュンヘンで小さな展覧会が開催されました。そこには不思議な一枚の絵が展示されていました。タイトルは「コンポジションⅤ」。何が描いてあるのか一見しただけではわからない、いわゆる「抽象絵画」でした。作者はヴァシリー・カンディンスキー。彼の所属する美術団体はこの作品を展覧会に展示することを拒否。そこで彼は数名の仲間とともに団体を脱会し、新たなグループをつくって自分たちの展覧会を急遽開催したのでした。このグループは一般に「青騎士」と呼ばれています。
今回の展覧会は、カンディンスキーを中心に、第一次世界大戦勃発前夜のドイツで、新たな美術の創造に邁進した若き画家たちの姿を紹介します。