親はきっと誰でも、こどもの今を永遠に留めたいと思います。でも、こどもは静止していられません。これは江戸時代から変わることはないのです。写真が登場した19世紀中葉の技術は瞬間を切り取ることができず、静止することができなければ、画像はぶれてしまいました。それでも、世界初の写真方式であるダゲレオタイプの時代から、こどもを撮影する努力はされ続けています。写真技術の発展は感光材料の歴史であり、写真初期の技術において、人々はこどもをいかにじっと動かなくさせるかを考え努力し、こどもの姿を写真に留めたのです。
カメラを持つことが一般的でなかった19世紀、一握りの撮る人々は、様々な角度、視点、技術でこどものイメージを発信し続けました。
本展は、いかにしてこどもを撮影するかを作品から写真の歴史を辿って繙いていきます。写真を撮影することのできる体験コーナーも特設し、こどもを中心に観る・撮るの両面から写真を楽しめる空間が広がります。ぜひカメラを持ってご来場ください。ご家族で楽しめる写真展です。