村上友晴は1938年東京で生まれ、1961年東京藝術大学美術学部日本画科を卒業した。その後伝統的な日本画から離れ、絵の具を少量ずつ重ね合わせる技法で制作し、ミニマル・アートやモノクローム絵画の重要な作家として国際的にも高い評価を得ている。時には1点の作品に数年の歳月をかけて制作し、作品には時間、そして作家の体験や思考の重なりが表されることになっている。
シリーズ作品には宗教(主にキリスト教)から引用されたタイトルが付されることが多く、作品の深遠なイメージとあいまって、観るものに荘厳な印象を与える。また展示空間は教会の礼拝堂のような宗教的な雰囲気を生み出すことになる。
この展覧会は代表作品50点によって、作家の芸術に対する真摯な姿勢を広く紹介するものである。