石本 正氏は現代日本画壇を代表する作家です。氏は1920年(大正9年)島根県三隅町に生まれ、京都で絵を学び、1950年(昭和25年)の創造美術展の入選を皮切りに女性を題材にした話題作を次々と発表してきました。氏はその鋭い洞察力で絵画としての創造性と官能的な女性美表現を追求し、華麗で情熱的な石本芸術を完成させました。その後、舞妓や鳥の連作に取り組む一方でイタリアなどの西欧の旅を続け、中世ヨーロッパのロマネスク様式のイメージを取り組むなどの自由な発想で、新しい日本画の世界を切り開いてきました。
本展は今年で画業60年を迎える石本画伯がこれまでの画業のすべてを終結し、描きあげた新作を中心に初公開の作品によって、石本芸術の「美の真髄」をあますところなく紹介する展覧会です。本展のために描かれた「裸婦」「花」「風景」をテーマにした本画約30点は、様々なイメージを心象風景として取り込み妖艶な石本芸術の世界を形作っています。
さらに今回は、約50年前に描かれて以来、ほとんど公開されたことがない幻の大作「馬」を特別公開するとともに、「馬」や「花」のデッサン約30点を公開し石本芸術の原点を探ります。
《展覧会巡回予定》
●東京展:大丸ミュージアム・東京
2001年11月1日~11月13日
●九州展:博多大丸
2002年1月2日~1月7日
●京都展:大丸ミュージアム・KYOTO
2002年1月24日~1月29日
●島根展:石正美術館
2002年2月8日~3月31日