松尾たいこのファンは多い、広告や雑誌、ファッションブランドとのコラボレーションなど幅広い活躍をみても言えることだが、その実力を顕著に証明しているのが本の装画である。『クライマーズ・ハイ』(文春文庫)、『日本の古典を読む』シリーズ全20巻(小学館)など、これまで手掛けてきたものは約250点以上。一般のファンのみならず、作家やデザイナー、アーティストから多大な評価を受けているのである。松尾の原画と向き合うことで、「彼女が見ている“世界”の色や光をより強く感じることができる」という声も多い。
今回の個展では、これまで手掛けてきた既存の作品のみならず、新作も発表される。また、これまでになかった試みとして、インスタレーション的な要素を持った構成にもなる予定だ。空間に出来上がったレイヤーの中で、彼女の美しい表現が広がるであろう。