「メタボリズム」とは、生物学用語で「新陳代謝」を意味し、「生物が代謝を繰り返しながら成長していくように建築や都市も有機的に変化できるようデザインされるべきである」というマニフェストとして、1960年代に日本で発表されました。 戦後の復興期から高度経済成長期に壮大な未来都市の像を描き、多くの実験的な建築を実現させただけでなく、今日の日本において国際的に活躍する優れた建築家、デザイナーを輩出する基盤ともなった世界で最も知られている日本の建築理論です。
本展は、「メタボリズム」に今日どのような意義があるのかを問いかける、世界で初めての展覧会です。メタボリズム運動誕生の背景となった丹下健三の思想・事蹟と、1960年前代を中心としたメタボリストの活発な活動、そしてこの理論の成果と言える1970年の大阪万博までを資料、模型などで紹介します。また、本展をきっかけとして貴重な現存資料を整理・蒐集し、将来に残すことも重要な意義と考えています。