「ブッダ」は『希望の友』1972年9月号から連載、『少年ワールド』『コミックトム』と掲載誌を変えて、12年間連載された大長編です。
手塚治虫は、誕生、出家、悟り、涅槃といった、ブッダの生涯の大筋は仏典を踏まえながらも大胆に創作を盛り込みました。
主人公シッダルタ(後のブッダ)の成長に、手塚が自分なりに考える理想の生きざまを重ねて描き、登場人物にも大胆な脚色を加えています。「火の鳥」と同じ、生と死をテーマにしながらも、手塚はこの作品を、楽しく読める「手塚の宗教SF」であると述べています。
本展は、2011年5月に公開される映画「手塚治虫のブッダ-赤い砂漠よ!美しく-」にあわせて、原作マンガ「ブッダ」をとりあげ、雑誌扉絵など直筆原稿を展示、生と死の壮大なドラマを紹介します。