ロシアのサンクトペテルブルクにある国立エルミタージュ美術館は、ロマノフ王朝の栄華を彷彿させる壮麗な宮殿建築とその膨大な所蔵品によって世界屈指の美術館に数えられています。そのガラスコレクションも世界有数の質と量を誇り、ヨーロッパ各地、各時代の特徴的な形状や技法を網羅した最高レベルの作品が収められています。これらは18世紀半ば以降、歴代のロシア皇帝、皇族、名士によって収集されてきたもので、その総数は2000点を超えています。
本展は、このなかから精選した約190点の名品によって、国立エルミタージュ美術館ガラスコレクションの全貌を紹介するものです。ルネサンス期に花開いたヴェネツィアン・グラスからボヘミア、イギリス、スペインを経て19世紀末フランスのアールヌーヴォー様式へといたるバラエティ豊かなガラスの歴史をたどるとともに、18世紀以降、ロシア帝室ガラス工場で製造され、宮廷を華麗に彩ったインテリアなど、日本初公開となる貴重な作品の数々をご覧いただきます。
皇帝の愛したガラスの世界をぜひお楽しみください。